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巴金と陸文夫

先日頂いた本の中に陸文夫の作品の日文版がありまして、巴金とのつながりがあると、お教えいただきました。
聞けば巴金の晩年の作品である「随想録」(全5冊)のうち「探索集」と銘打たれたもののなかの三十三に「悼方之同志」に、それを見つけました。

巴金より陸文夫はだいたい25歳くらい若く、当時「探索者」という同人誌を作りたいと巴金に相談を持ち掛け、計画はかなり進んでいるということを言っていたそうです。
巴金はそんな彼らがあまりにも単純で社会情勢に疎いということを巴金は見抜き、何か悪いレッテルを貼られなければよいが、と心配しています。
しかし、彼らは巴金の心配に気づくことなく(巴金自身も「自分の考えをはっきりと言えなかった」と言っていますが)「右派」のレッテルを貼られ葬られてしまったとあります。

そういったことを踏まえて、改めて先日紹介した「消えた万元戸」の日文版の「序」を読むと、さらに深みが増すでしょう。

(以下、長いですが引用)
ただ、『路地裏の奥深く』を書いたころは年をとっておらず、二十七歳。それは人生に対して高遠な理想、深い愛情を持っていた時期でした。
『ワンタン屋始末記』を書いた頃はもう五十一歳で、生活の苦しさに対して思いやりに溢れた時期でした。『消えた万元戸』を書いた頃は深い愛情と思いやり以外に、またひとつ苦笑いの味も加わっていました

普通に暮らしていても年齢を重ねると作品にかける思いに変化は当然出てくるでしょう。しかし、彼らの経てきた時代を考え合わせると、「さらり」と書かれているけれど、いや、さらりと書かれているだけにやっぱり重いなぁ、と思うのは考え過ぎというものでしょうか。
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