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春の童話

《春の童話》(遇羅錦:著 押川雄孝・宮田和子:訳 田畑書店1987年)

先日、図書館でセミナーがあったのでその待ち時間に見つけました。
遇羅錦の両親は右派とされ、その兄遇羅克も27歳で文革のさなかに銃殺刑になりました。
あの時代の中国では大変生き難い立場であったことが分かります。
生きてゆくために愛の無い結婚をし、その生活の中で下放された知識人の青年と親しくなります。
彼女にとっては初めての恋でした。
そしてやっとの思いで夫と離婚してその青年と一緒になれると思った矢先、その青年から別れを告げられます。
理由は彼女が再婚であることと、おそらく彼女の出身にも問題があったと思われます。
そこでいわゆる「封建的」な思想に支配されつつも、文革のような思想もあるという矛盾を取り上げたと言えなくもないと思います。
でも、その筋立ては今の時代から見れば(時代背景は強烈なものがありますが)少々陳腐な内容で先が見えるものでした。
「小説」としてみれば、ですが。

でもこの作品に出てくる人のほとんどは実名で、遇羅錦の立場で見ると多分、すべて本当のことだと感じました。
これを「小説」と言えるかどうか・・・「私小説」にしても、もうちょっと脚色して作品として完成したものにするのが本来だと思います。
しかし彼女にしてみれば、これはやはり自分自身のありのままを書く必要があったのでしょう。
彼女にとって実話であったとしても、他の関係者にとって実話であるかどうかは分かりません。

この作品の社会に対する影響は巻末の「訳者あとがき」に詳しく書いてあり、作品自体よりもそちらのほうが私にとっては興味深く、あるいは作品だけを読んでも面白さはあまり分からなかったと思いました。
それから遇羅錦はお兄さんである遇羅克を慕っていたことがよくわかります。
ブラザーコンプレックス、という言い方が適当かどうか分かりませんが、そのように感じました。
尊敬するお兄さん、若くして非業の死を遂げたお兄さんがどんどん彼女の中で神格化されているように感じたので、彼女は初恋の人と別れたあと、次にどんな人を愛したのかちょっと興味があります。


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