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転生夢現

皆様 こんばんは。
7月に入り梅雨明けの便りも聞こえてくるようになりました。
名古屋も晴れれば暑い、雨が降れば不快・・・ってわけで、家から出るのが億劫になっております。
そんな折、徒然なるままに手にとったのがこの本。

『転生夢現』(莫言:著 吉田富夫:訳 中央公論新社)

前作までの作品と同じく、上下巻で・・・ざっと900P。
原作ですと奥付に文字数が書いてあると思いますが、日本の習慣ではそういうのはないので。
ページ数で長さを表してみました。

内容は1950年1月1日に始まります。
中国が解放されたのが1949年10月1日。
ですから、解放直後の中国が始まりです。
そこから、50年の中国現代史と共に物語は続きます。

解放前は地主であった主人公が土地革命で銃殺に処されます。
銃殺に処せられた理由は・・・客観的にみれば
「時代」・・・だったんだろうな。
でも、それでは殺されたほうは浮かばれません。
浮かばれず・・・地獄からよみがえり、次々と生まれ変わる・・・というのが話の大筋です。
人からロバ、牛、犬、猿・・・そして2000年にやっと人に生まれ変わるのです。
その50年間を中国の現代史と共に描いてゆくのです。

この前まで読んでいた余華の《活着》と時間の流れが同じように思えたのと、この50年は私にとっては非常になじみがある、というか一応真面目に取り組んでいる時代なので、大変興味深かったです。

語り手は転生する主人公なのですが、最後の最後でおちをつけるのは作者である莫言。
登場人物の一人として彼が出てくるのです。
アイデアとしては面白いんですが、この登場のさせ方は私としてはちょっと引っかかるところです。
好みの問題ですが、ちょっと馴染めない感じがします。

まぁ、それを差し引いても主人公が次から次へと生まれ変わっていく様は読者を飽きさせませんし。
自分が殺された意味を求めて生まれ変わろうとする生への執着は『哀しさ』を感じさせられます。
時代に翻弄されて生きてゆく人々の哀しさも、また同じように感じられます。

それから、作品の中でしっかりとした自分を持っている人物がいることが、ストーリーに安定感をもたらしていると思います。
自分の死の意味を問うという一貫した意思を持って何度でも生まれ変わったの主人公と革命後も個人経営農家として自分の意思を貫いた藍脸。
この二人は作品の重要な背骨となっていると感じました。

私にとっては莫言のそのほかの作品よりも読みやすい気がしました。
この人の長編は重くて疲れるのです。

そして最後に訳者について。
訳者あとがきで御自分の奥様に対しても謝意を示していらっしゃるのが、素敵に思いました。
奥様のことをお話になるときの様子がふと思い出されて。
多分今後もこの本を開き「あとがき」を読むたびになんとなく心があったかくなる気がします。

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コメント
akiさん

お久しぶりです。
コメント有難うございます。
お仕事、頑張っていらっしゃいますか?
この作品は莫言の作品の中で一番のお勧めですよ。
是非、読んでみてください。
実は私は次に『白檀の刑』を読破しようと狙っています。

2008/07/11(金) 21:34 | URL | piaopeng #-[ 編集]
お久しぶりです。

お元気そうで何よりです。

それにしても『転生夢現』(莫言:著 吉田富夫:訳 中央公論新社)900ページもあるのですか?
文学も奥が深いので読みがいはあると思いますが僕だったら・・・たぶん読んでもなかなか中身を理解するのに苦労しそうです。


2008/07/11(金) 20:58 | URL | aki #-[ 編集]
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